内視鏡検査

消化管内視鏡検査

同クリニックでは、先人たちに頂いたヒントをこれからの方々に還元するために、専門病院や内視鏡センターと称したハイボリュームセンターなどでの精密診断や治療で使用する同等な「質」を提供できるように最上級モデルを準備することより始めました。

上・下部消化管内視鏡検査は、俗に“胃カメラ”“大腸カメラ”などと言われていますが、上部消化管は“胃”だけではなく食道から胃十二指腸の観察記録を基本とし条件によっては咽頭喉頭の記録も含まれ、下部消化管は小腸の一部と回盲弁(終末回腸とそのと接合部)の評価も基本検査です。

しかし、あまりにも苦痛が強いと生涯において繰り返し必要な内視鏡検査を敬遠してしまわれる事があっては、いくらその時点での検査の質が良くても自己満足に陥るので「落としどころ」が重要です。

機材の洗浄滅菌・管理も、COVIDなどウイルスはもちろんピロリ菌や食中毒菌の伝搬などが確実に遮断される「学会ガイドライン」に準じたプロセスを徹底し見合ったメーカー機器で対応し洗浄履歴保全も重要な診療一環として安心と安全も準備しました。

① 内視鏡検査での鎮静法

ちまたでは「無痛」や「麻酔」といった表現で内視鏡検査(または治療)を行えると謳われて多少誤解が生じますが、「鎮静法」は検査を受ける側の「苦痛の軽減」が大義で、完全除去を担保にし難いのが現実です。

上部では、口腔内での内視鏡本体の存在感や、動作に伴う嘔吐・咳嗽反射の誘発、分泌された唾液や潤滑剤のやり場のなさ、食道・胃からの消化管液逆流の咽頭喉頭への残留やその誤嚥などが配慮すべき事柄で、下部ではループ作成による伸展や連続する屈曲や癒着の矯正やそれらの牽引、自然発生する過剰な腸管蠕動などと、また上下部双方とも観察のための送気による伸展・腹満症状などが各々方の「苦痛」の要因です。これらは全くの個人差なので未経験の方にはなかなか伝わりにくいですが、鎮静法はそんな状況を薬剤によって誤魔化せる可能性があるのです。

一方で検査の質が向上するという別のメリットがあり精密診断を必要とする場合はほぼ全例で鎮静法を検査担当医が進言するほどです。さて、本邦で内視鏡検査や治療で実際に使用されている薬剤は多岐にわたりますが、安全と実績の観点から、治療ではなく無床施設での検査において、同県で保険診療での使用可能な薬剤はベンゾジアゼピン系薬剤になります。

催眠作用,鎮静作用,抗不安作用,健忘作用,抗痙攣作用,筋弛緩作用を発揮するとあり(内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン)直接鎮痛作用はありません。したがって痛みは「薬で誤魔化している」が近い状況です。鎮痛剤をあえて積極的に使用しないで済むのが、技量以上に危険察知のためであると言えます。

他院(特に他県で)カクテルでの鎮静検査の経験や、日常的に同系薬剤の内服をされている方は別途相談になることをご留意ください。薬剤の作用から様々な付随作用が出現するので心電図・酸素飽和度・血圧・脈拍をモニター(監視)する必要があります。

② 細径内視鏡(経鼻、覚醒経口)

二世代ほど前での経鼻用細径内視鏡の性能は、画質や操作性が汎用経口内視鏡と圧倒的な質の格差が存在し著しく劣っていたことより、一定の診断が要求されるケースでは経鼻はお勧めしていませんでした。

ところが技術革新が著しく、当院で採用できた最新の経鼻用細径内視鏡は、画質及び操作性の全てにおいて当時の最上級モデルと遜色ない性能から、覚醒での上部消化管内視鏡検査では径による喉の負担も軽減が望めることで、経鼻経口ともに全例この細径内視鏡を使用します。覚醒の検査では、皆様面前にリアルタイムに画像が視認できるモニターを用意しています。

③ 経鼻内視鏡

左右各々鼻腔に2系統の通路があり通過可能な経路から食道に至るルートで挿入する方法です。事前に浮腫や出血予防の薬剤噴霧を終えて挿入直前までプラスチックの擬態チューブを留置しておくスティック法で待機していただきます。

経鼻ルートの長所は、(1)嘔吐反射の誘発要因となる舌根部位に接触しづらいこと、(2)咽頭・喉頭領域の視認性が優れていること、で検査中に発声も可能ではありますからモニターを通じてやり取りも可能ではあります。

④ 拡大機能付き内視鏡、画像強調機能

上部の細径以外での検査は、全て拡大機能付き内視鏡機種を使用します。消化管粘膜の表面模様や毛細血管を画像強調機能で併用観察することで病変の質判断が即座に可能となります。従来から内視鏡での光学診療は、光をかざすことで凸凹と周囲(正常と思われる粘膜)との色の違い(対比、コントラスト)で診断を進めてきました。

さらに食道ではヨード染色や胃大腸ではインジコカルミン散布、大腸腫瘍ではクリスタルバイオレット染色など追加して病変の質診断に迫り、解釈には専門性の高い技量と知識を要しましたが、昨今の「画像強調」システムは、様々な目的に合わせて波長を調整するモードが設定されておりボタンひとつで簡単に切り替えられ、人為的な圧倒的な濃淡差を視覚的に得ることができるように開発された日本発祥の優れた技術です。

そこで標的に対して単純な「存在診断」だけでなく、拡大観察して周囲健常粘膜との表面模様の対比と独特の毛細血管情報から、非常に高度な視覚情報が得ることができ、精度の高い「質診断」が可能になりました。一定年齢以上の食道、ピロリ感染既往のあった方の上部検査は特にお勧めです。

⑤ 大腸内視鏡によるAI学習後診断支援機能(CAD-EYE)

当クリニックに導入した診断支援ソフトは、大腸内視鏡の検査中に視界にあるリアルタイムでの画像から、小職以外にもう一人の内視鏡検査医が同時に大腸病変の有無を監視探索してもらっている状態を検査終了まで継続可能なお得な機能です。

検査途中で病変の存在に気が付いた場合に、検査画面上で点滅表示してくれる機能(検出支援モード)と、実際の病変に対して治療になり得る対象病変かの区別判断を内視鏡医が診断をすることを、同時に見解をアシストする(鑑別支援モード)が備わっていることから、見逃しや誤診を補助する目的ではあるものの、あたかももう一人の内視鏡医が立ち会っていると状態でサポートできます。完璧ではあり得ない医師を多方向からサポートしてくれている相棒のようです。

ちなみに、この装置があることで追加の費用負担は生じませんので双方にとって非常にありがたい機能であることから全例で常時使用しております。

⑥ 全上下部内視鏡検査での炭酸ガス送気

従来から内視鏡検査では、外気の空気を用いて食道・胃・十二指腸・大腸に適時ボタンで注入して行うのが一般的でした。胃腸の皺を伸展させわずかな色の違いや凸凹を見つける検査であることから、「送気」は内視鏡検査の必然でした。ところ自然の消化管運動である蠕動運動に対峙するためや、病変観察に気を取られ過ぎたり、治療での合併症回避のために過送気になることで、結果的に小腸へ比較的相当量が送り込まれることに陥り、長時間の膨満感や伸展関連の疼痛、強度の攣縮を誘発し無視できない併発症が生じることが日常的にありました。

ある頃より長時間の治療を中心に、外科の腹腔鏡手術で使用していた炭酸ガス送気が応用されると、関連の検査治療後の腹部症状の出現が驚くほど生じなくなりました。炭酸ガスは腸管からの吸収がとても早く、呼吸を通して体外に排出されてしまうので全面的に解決が可能となりました。圧倒的な苦痛軽減から全検査炭酸ガス送気で行うことにしています。これも被検者皆様の追加の費用負担は生じません。

⑦ 一期的同日上下部内視鏡検査

上部と下部内視鏡検査を同時期に必要とする方々には、別日に各々行うより一期的に同日検査が合理的です。年齢に制限はありません。ただし、受診・登院の負担軽減以外に、必要とする評価検査の種類とタイミングや基礎疾患と服薬内容を鑑み、鎮静の有無などに応じて個々の状況に合わせ応談のうえ計画が必要ですのでご相談ください。

⑧ 日帰り(大腸)内視鏡治療:EDS(Endoscopic Day Surgery)

当院では、大腸のポリープ切除術に際して比較的安全かつ合併症の出現頻度が低いと判断されたならば、計画的または一期的「日帰り治療」を行なっております。従来は大腸のポリープを切除する場合には、ほぼ全例で短期間の入院を必要としていました。ポリープ切除は電気で熱を発生させる高周波装置を使用してワイヤーで絞って焼き切るのが基本で、切除創の脆弱性や晩期出血を懸念しての観察期間を強いていたのです。

過去のデータの蓄積と、コールドスネアポリペクトミーの普及、2020年ガイドライン改訂で治療適応の拡大などから、小さいサイズのうちに電気を使用しない方法ですと合併症を抑制できることより従来方法と合わせて選択肢が広がり日帰り治療が身近になりました。

⑨ 事前準備・鎮静後リカバリースペース、前処置専用トイレ

一定のプライバシーに配慮したスペースを確保し、電動ストレッチャーでそのまま検査室への入退室を行いますので委ねていただけます。

⑩ 内視鏡学会ガイドライン推奨の高水準消毒剤洗浄消毒機使用

洗浄・消毒の履歴管理を備えた内視鏡メーカーの洗浄消毒機器です。本体の専用ラックでの保守、単回使用の処置具、周辺機器や補助具の滅菌などすべてガイドラインに準じた管理を徹底しております。上部内視鏡の際は口腔外吸引機を添え徹底した感染対策を講じて行なっていますのでご安心ください。

⑪ 対面モニター、生体監視装置、自動送水システム、フットペダルなど

内視鏡検査に要する効率的かつ安全精度を保持する様々な工夫と装置を配置し、運用しています。

⑫ 市川市胃がん内視鏡検診

対応しております。対象者の条件を事前に確認させていただきますのでご了承ください。
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